鉄構営業部クロストーク

技術者としての夢を追えるように。ファブリケーター出身者が語る、商社だからこそできる挑戦。
「なぜ自分に商社から声がかかるのか?」 今これを読んでいる技術者の中には、まさに疑問に思っている方もいらっしゃるかもしれません。けれど商社である阪和興業だからこそ、技術者の力を必要とする理由があります。それは鉄構営業部 工務課が、施主やゼネコン、ファブリケーターなど多くの関係者をつなぎ、プロジェクト全体をコーディネートする役割だから。単なる橋渡しではなく、技術者ならではの視点と判断で、間にいる価値を発揮する仕事です。今回は、ファブリケーター出身のメンバーを含む3名に、工務課のリアルと魅力を語ってもらいました。
MEMBER

2011年入社

2014年入社

2023年入社
※業務内容、所属部署は取材当時のものです。
なぜ、商社への転職だったのか?
ファブリケーターとの関係が、入社の決め手。
本日は、鉄構営業部の工務課で働く方3人のクロストークです。
まずはみなさん、自己紹介をお願いできますか。

岡田
私は、新卒からずっと阪和興業です。入社当時はまだ工務課はありませんでしたが、2021年に新設されました。現在工務課の課長というポジションですが、技術者として働きながらも、課内のワークライフバランスを大切にし、仕事も生活も充実させる働き方の実現を目指しています。
人材を大切にするための取り組みについても、のちほど詳しく聞かせてください。
島野さんも、自己紹介をお願いいたします。

島野
私の前職は、ファブリケーターと呼ばれる、図面を書いたり鉄骨部材を製造したりする会社です。阪和からすると、外注先にあたるところで技術職として働いていました。ところが前職が経営状況などによって鉄骨業界から撤退し、自分がしたかった仕事が出来なくなったタイミングがあって。そこでこれまでの知見を活かして一緒に働こうと声をかけられたのが、当社でした。
では取引先に転職した形なんですね。

島野
そうですね。ファブリケーターの立場から見て、阪和はいい意味で商社をあまり感じない会社でした。技術的な知識があるところは驚きましたし、一番は商社とファブリケーターとで上下関係がない。仕入先ファーストの雰囲気があったんです。その印象が強くあったため入社を決めました。

佐伯
私も、ファブリケーターにいました。設計課の課長で図面作成がメインでした。当時は課長という立場もあり、メイン業務以外に会議等も多かったです。管理職として責任ある立場でしたが、一方で漠然と悩むこともありました。そんなときに人材紹介会社から紹介されたのが、阪和でした。

岡田
「商社ですが、ぜひ来ませんか」と声をかけました。

佐伯
そう、最初は驚きました。どうして商社から声がかかるんだろう?って(笑)。不思議な気持ちの方が大きかったですが、まずは会ってみようと。その時に岡田課長と出会って阪和の会社説明から部署の話、業務の詳細まで聞けて。商社で私の経験を活かせるんだと気付いてイメージが変わりましたね。あとは、島野さんの言うように、商社とファブリケーターの関係性を変えようとする岡田課長の熱意もすごかった。
商社とファブリケーターの関係性を変える、とは?

佐伯
商社は、仕事を右から左、つまりゼネコンからファブリケーターなどの企業へ渡す仲介役のイメージでしたが、阪和は全く違うことに興味を持ちました。双方の間にいるからこそ、存在意義を発揮し、ファブリケータ―のパートナーとしての姿勢を感じました。

岡田
右から左に仕事を渡す、それだけだと本当に私たちがいる意味がないですよね。間にいるからには価値を出すべきだと当社は考えています。そこで、島野さんや佐伯さんの培ってきた技術的なスキルや知見が必要になるんです。

佐伯
……というアツい話を直接聞く事ができて。阪和に対するイメージがガラッと変わりました。

複数企業のハブとして、現場を束ねる。
大規模案件で活きる、存在価値。
間にいるからには存在価値を、とは具体的にどのようなことなのでしょうか?

島野
工務課の仕事というのは、設計者やゼネコン、図面作成業者、複数のファブリケーターといった多くの関係各社のハブになります。そこで、来た仕事をただ受け渡すだけでは、間にいる意味がない。全体を把握しながら調整したり、適切な指示を出したり。各ポジションで役割があるけど、無理が生じていないかを見渡して、管理するイメージですね。商社の中でこのような立ち回りをする会社は他にないんじゃないかな。

岡田
トラブルが起こればもちろん解決するし、まずはトラブルが起きない提案も重要ですね。材料はこうしましょう、図面作成はここに気を付けて、鉄骨製作はこう管理して、それを品管チームでこうフォローして、とか。注意するべき項目も多く、現場の状況や課題によっても動き方は柔軟に。まさにコーディネーターです。

佐伯
そうですね。ファブリケーターと二人三脚だなと思います。プロジェクトが円滑に進むよう尽力した結果、多方面の関係者から感謝の言葉をいただけるとやりがいもありますよね。

岡田
円滑に進めるための取り組みとして私たち工務課は、図面作成の部分をかなり詳細に決めるようにしています。たとえば料理で言うならレシピになりますが、「とろ火で煮込む」と書いてあったら、とろ火ってどれくらいだろうと判断がつかない。そのとろ火の説明までしっかり指示をすることを目指しているのが、阪和の図面なんです。そうすることで、みんなの認識が一致して、無駄な問い合わせや確認の手間が減るのでスムーズ。全員の負担が軽減できます。

島野
自分がファブリケーターだったときは担当範囲のことだけを考えればよかったけど、商社の立場として鉄骨全体を考えられると同時にいくつもの図面作成業者やファブリケーターとやり取りするようになりました。担当する案件の規模は確実に大きくなったかな。多方面まで考えたり、調整のスキルは求められたりするけど、それを辛いととるか、楽しいととるか、だなと思います。調整の難易度が上がる分、私は楽しいです。

佐伯
ときには設計者やゼネコンに「このやり方に変えましょう」と交渉することもあります。入社して島野さんの調整力を間近で見られてとても勉強になります。「神ワザ」だなって。
神ワザの裏側には、どのような心がけがあるのでしょう?

島野
ファブリケーターにはもちろんですが、設計者やゼネコンにも、「この人が言うなら大丈夫」と信頼してもらえるようにいつも心掛けています。

岡田
例えば、島野さんは質疑書を作成するとき、作図前から設計図を読み込んで多数の内容を書く。知識や経験の積み重ねでもありますし、初手から信頼できる担当者として事前に動いているんです。一般に求められることに対し、常に120%の対応をするからコーディネーターとして信頼される。

島野
私たちの仕事は技術職でありつつ、ある意味では「八方美人」にならなければならない。人となりも見られている仕事です。だからこそ信頼獲得を大切に考えています。

佐伯
信頼って簡単ではなくて、小さな積み上げですよね。ちょっとしたことですが、たとえばメールもすぐにレスポンスするとか。

岡田
ファブリケーターや図面作成業者から、「また阪和と仕事がしたい」「島野さんでお願いしたい」って言われることも多くて。こちらの想いや取り組みがきちんと伝わっている証拠だと思います。

スペシャリストが集まる強み。
技術やノウハウを共有できる環境がある。
全体のコーディネートをする際に悩む場面もあると思いますが、そういったときはどうしていますか?

岡田
担当案件で悩んだり、課題が出てきたりしたときはみんなで議論すると解決するんですよね。毎月2回程行っている勉強会では「全員で相談したら、ベストな解決策が出せるよね」と言っていますね。図面作成、鉄骨製作、検査等それぞれの強みを持っている人がいる。工務課は様々な領域のスペシャリストがいることを再認識しました。

島野
約20人いる工務課メンバーの内、8割以上がファブリケーター出身ですよね。しかもS、H、Mグレード出身者のみで、本やネットよりも深い知識や広い視点のアドバイスを仲間からもらえます。

佐伯
経験に裏付けされた技術やノウハウもあるし、実際に苦労してきたからみんなで助け合う意識は強いのかもしれませんね。私は阪和へ入社して2年なので、領域を広げるため勉強したいことも多いです。そこでメンバーが行く打ち合わせにも、同行させてもらっています。自分次第で新しい技術や興味のある分野を勉強し、吸収できるのが嬉しいです。

島野
仕入先企業が全国にいて広いネットワークがある点も魅力ですよね。多くのつながりがあるから情報収集しやすいし、遠方の場合はリモートでやり取りをして。ファブリケーターで働いていた時は毎日出社だったのですが、効率的に業務ができていると感じます。
リモートのお話が出ましたが、阪和興業に入社して働き方変わりましたか?

佐伯
そうですね。島野さんと同じく私も前職では毎日出社だったのですが、在宅勤務できるようになりました。単純に通勤時間が減りますし、家族と一緒に過ごせる時間や子どもと会話できる時間も増えて嬉しいです。

島野
在宅勤務が可能なので、前職と比較してとてもフレキシブルです。その点でも案件全体のコーディネートに注力できる。各々が担っている役割に集中して全力で取り組めるところも働き方で変化があった部分ですね。

岡田
業界的に個々の力に頼りすぎてしまったり、マネジメントに集中できずプレイングマネージャーになっていたりする場面ってあると思うんです。でも当社の鉄骨は受注前から緻密に管理しています。そのため無理のない仕事量にコントロールし、不測の事態も組織で解決できる。働きやすさに繋がっていると思います。

佐伯
過度な残業もないですし、パフォーマンスが発揮できるような環境が整っているように感じますね。だから新しい分野も吸収したいという気持ちになれているのかもしれません。
※グレード:鉄骨工場のランク。全5段階に分けられており、上から順にSグレード・Hグレード・Mグレード・Rグレード・Jグレード。

鉄骨業界のイメージを変える取り組みで
阪和興業の存在感を示す。
働き方改善の取り組みに注力する背景についてお聞かせください?

岡田
鉄骨業界全体の話になりますが、この業界の人材を大事にしなければいけないと考えています。専門的な知識と技術を持ち合わせた人材が必要不可欠な業界にもかかわらず、どこも人手不足は深刻で職人の確保が難しいのが現状。明確な待遇改善が行われない企業も多くあります。

佐伯
岡田課長は人材に対して積極的に評価で還元することで、業界全体の地位向上を目指しているんだろうなと感じます。

岡田
これまでのきつそうといったイメージを変えたいですね。それは、阪和に限らず。働き方や待遇もよくなって、いいな!うちも阪和のような取り組みをしたいな!そうすることで業界全体にもいい循環が生まれるんだ!と思ってもらえる存在になりたいですよね。
そんないい循環が生まれている阪和興業で、今後のビジョンはありますか?

島野
そうですね。まずは、自分の子どもに「この建物はお父さんが建てたんだよ」って自慢したいですね。あとは、建てた後、世にずっと残るモノに携われるこの仕事に魅力を感じています。その中でも難易度が高かったり、パッと目を見張ったりするような特殊な建物を担当できたら楽しいでしょうね。

佐伯
私は、まずは島野さんのように「また一緒に仕事がしたい」と思ってもらえる人材になりたいですね。スキルの蓄積と信用の積み重ねが大切だと思っています。

岡田
おふたりが語るように、技術者にはそれぞれビジョンがあります。このビジョンを、全力で目指せるようにバックアップするのが大事だと思います。制度なのか、教育なのか、マネジメントなのか。働き方や待遇を整えた上で、技術者が思い描いている姿を叶えられる環境にしたいです。それを様々考えていくのが管理職である私の仕事だし、新たな取り組みを会社が認めてくれることも大きい。このような動きを業界全体に浸透させたい。鉄骨業界に関わる人の待遇改善や業界のイメージアップに貢献しながら、阪和興業の存在感を示していきたいですね。

CROSS TALK
本音で語る、阪和の仕事